かぐや

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    かぐや

    かぐや
    かぐや(SELENE, Selenological and Engineering Explorer、セレーネ)は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の月周回衛星。
    SELENEはギリシア神話の月の女神セレネ (Σελ?νη, Selene) にちなんだ名称である。
    この衛星を利用した月探査計画はSELENE Project(セレーネ計画)と呼ばれ、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のアポロ計画以降、最大の月探査計画とされる(日本初の月探査は1990年打ち上げのひてん)。
    主衛星と2機の子衛星で構成され、14種類の観測機器を搭載していた。
    かぐやの愛称は、JAXAの行った一般公募によって決定された。
    後に子衛星2機にも愛称がつけられ、リレー衛星は「おきな」(OKINA)、VRAD衛星は「おうな」(OUNA) と命名された。
    それぞれ、竹取物語の中で月へと帰るかぐや姫と、育ての親の翁(おきな)、嫗(おうな)にちなむ。
    当初は2007年8月16日に打上げが予定されていたが、コンデンサの取り付けミスや天候悪化などのため9月14日に延期された[3][4]。
    打ち上げ後は順調に飛行を続け、予定通りに月周回軌道に入り、2機の子衛星を分離後に月面から高度100kmの月周回観測軌道に投入された。
    2009年6月に月面に制御落下させられるまで、約1年半にわたり月を周回しながら様々な観測を行った。
    NHKのハイビジョンカメラを搭載し、 かぐやの周回に伴って月に隠れていた地球が見えてくる「地球の出(アース・ライズ)」なども撮影されている。


    目的

    目的
    月の起源と進化を解明するためと将来の月の利用のため、さまざまな観測をすることを目的としている。
    同時に周回衛星に搭載された観測機器で、プラズマ、電磁場、高エネルギー粒子などの月周辺空間の環境・計測を行った。
    将来的には、かぐや後継機による月面着陸の構想もある。
     
    主衛星による主な観測項目
    月表面の元素/鉱物組成
    地形
    表面付近の地下構造
    磁気異常
    重力場の観測
     
    VRAD衛星による主な観測項目
    VLBI(超長基線電波干渉法)による、主衛星/リレー衛星との電波差異による月の周回運動の詳細観測。
      

    機器概要
    機器概要
    リレー衛星(おきな)をRstar、VRAD衛星(おうな)をVstarと呼称する。
    両者は軽量化のために姿勢制御装置やスラスターモータを搭載しないため、主衛星からの分離時の姿勢とスピンが重要な開発研究の要点として進められた。
     
    主衛星
    縦・横: 2.1 m
    高さ: 4.2 m(上部モジュール: 2.8 m、下部モジュール: 1.2 m)
    重さ: 1.6トン
    エンジン: 500Nメインエンジン1台、20Nスラスタ4本×3系統、1Nスラスタ4本×2系統
    上部モジュールにリレー/VRAD衛星が取り付けられ、周回軌道投入時に切り離される。
    月表面の画像撮影のために、高信頼性ハイビジョン (Hi-Vison) カメラを搭載。
    その他、月の物理学・測地学探査に重要な観測機器を搭載。
    観測機器の安定のため、スラスターモータ及び3軸加速度計による3軸安定姿勢制御システムによる制御を実施。
     
    リレー衛星(おきな)
    ダイポールアンテナを持つ八角柱の形をした直径1m、高さ0.65mの小型衛星。
    主目的は、主衛星の電波を月の裏側から中継することと、月の重力を測定することである。
    軽量化と重力測定精度の向上のため、姿勢制御装置やスラスターモータを搭載せず、主衛星からの切り離し時にばね仕掛けで回転を与え安定させる方式を採り、主衛星からの分離時の姿勢とスピンを要点として開発が進められた。
    リレー衛星は、2007年10月9日に主衛星から分離され、月周回軌道に投入された。
    2009年2月12日までに運用を終了し、同日19時46分頃に月の裏側にあるミヌールDクレーター付近に落下したと推定されている。
     
    VRAD衛星(おうな)
    VRADとは differential Vlbi RADio sources の略。
    リレー衛星と同じ寸法・形状の小型衛星で、姿勢制御についても同様のスピン制御を採用している。
    主衛星、リレー衛星、VRAD衛星間でのVLBI測定を行うことを主な目的とし、そのための電波送信源としての役割を担っている。
    VRAD衛星はリレー衛星分離から3日後の10月12日に正常に主衛星から分離された。
    2009年2月の時点では、主衛星の運用終了まで使用される予定である。
       

    搭載機器
    搭載機器
    元素分析
    蛍光エックス線分光計
    太陽から放射されるX線によって月面の元素が放つ蛍光X線を捉えることで、月における元素の分布を調べる装置。
    ガンマ線分光計
    銀河宇宙線が降り注ぐことにより月面から放射されるガンマ線や、天然放射性元素から放出されるガンマ線を捉えることで、月面における鉄、チタン、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、トリウム、ウラン、カルシウム、珪素、酸素、及び極域の水素といった元素の分布を調べる装置。
     
    地質学鉱物学分析
    マルチバンドイメージャー
    可視光から近赤外領域にかけての広い波長で光を観測することによって、地質鉱物の放つ光を観測し、その分布や組成を調査する装置。
    特に、元素分析装置との違いは、捉える波長の違いにより、鉱物のスペクトルの識別を行う点である。
    スペクトロプロファイラ
    鉱物スペクトルを分光解析し、その分布や組成を調査する装置。
    マルチバンドイメージャとは異なり、プロファイル(直線状)にデータを取得していく(地球観測衛星などで使われる手法である)。
    波長分解能は高いが月地表をすべてカバーすることは困難であるため、マルチバンドイメージャのデータと組み合わせて、面と精度を両方高めることを目指している。

    セフレ
    地形表層構造
    地形カメラ (TC)
    立体視の原理を活用して、月表面の標高や地形データを調査する装置。
    月レーダーサウンダ (LRS)
    月表層に向けて電波を発射することにより、表層からさらに地下へ潜り込む電波の反射を捉え、月の浅い部分の地下構造を明らかにする装置。
    月は揮発性物質(水)などが少ないため、電波が比較的地下に浸透しやすいという性質を利用したもの。
    地下数キロレベルの構造を明らかにできると期待されている[10]。
    レーザ高度計 (LALT)
    衛星と月との間の距離を精密に測定するための基準となる装置。
     
    月環境
    月磁場観測装置
    主として月の異常磁場を詳細に測定することを目的とした観測装置。
    粒子線計測器
    ヘリウムイオンや電子などを測定することによって、太陽活動と月環境との関連性について調査する計測器。
    プラズマ観測器
    主に太陽風中の水素イオンと電子、月面から放出される比較的重いイオン、異常磁場によって月から反射される電子などを観測することによって、月周辺のプラズマ現象を理解することを目的とした装置。
    電波科学
    精密な電波観測によって、月周辺の電波環境を測定することなどが行われる観測装置。
    プラズマイメージャ
    プラズマ現象を点で捉えるのがプラズマ観測器ならば、面で捉えることが出来る観測装置。

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