IKAROS

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    IKAROS

    IKAROS
    IKAROS(Interplanetary Kite-craft Accelerated by Radiation Of the Sun、イカロス)とは独立行政法人宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部(ISAS/JAXA)及び月・惑星探査プログラムグループ(JSPEC/JAXA)が開発中の小型ソーラー電力セイル実証機である。
    名称はギリシア神話の登場人物の一人イーカロスを題材にした歌曲『勇気一つを友にして』にちなむ。
    2009年4月現在プロトフライトモデルの製作が行われている。
    目的
    IKAROSは世界初のソーラーセイルを用いた惑星間航行宇宙機であり、主に以下の4つの項目について技術実証を行う計画である。
    大型膜面及び展開機構の開発と展開制御技術の確立
    太陽電池セルを搭載したソーラー電力セイルからの集電
    光子セイルによる加速実証と加速性能の推定
    操舵装置の搭載による光子セイルを用いた航行技術・方向制御技術の確立


    経緯

    経緯
    ソーラー電力セイル計画
    JAXAの前身の一つである宇宙科学研究所において、ソーラーセイルワーキンググループが2000年に発足された。
    このワーキンググループは、将来の惑星間航行システムとして有力であると目されながら実現されていないソーラーセイル推進について、実用化に必要な大型膜構造の製造・展開技術の研究や、太陽帆推進を使用した科学ミッションの成立性や科学的意義、運用要求等の検討を目的としていた。
    検討はMUSES-C(後のはやぶさ)に続く次期工学実験衛星(MUSES-D)への採用を目指して行われたものであり、黄道面脱出による赤外線天体観測機、枯渇彗星核や小惑星への着陸探査機、金星大気球などがその案であった。
    しかし、検討が進むにつれソーラーセイル単体では現実的な期間内でのミッション遂行が困難であることが明らかとなった、そこでセイル表面に搭載した薄膜太陽電池によって発生した電力を用いたイオンエンジンを併用するハイブリッド推進であるソーラー電力セイルが考案され、2002年にソーラー電力セイルワーキンググループが発足された。
    2003年3月には木星軌道近傍での赤外線天体観測やトロヤ群小惑星の接近観測、航行中のガンマ線バーストと宇宙塵の連続観測を目的としたミッション案が宇宙工学委員会に提出された。
    採択はされなかったものの、以後は木星圏探査を目指し検討が進められている。
    2006年に宇宙開発委員会に提出されたがASTRO-Gが採択されたため、未だに開発段階へは移行していない。
    2009年4月現在2018年度打ち上げを目指して検討が進められている。
     
    大型膜面展開実証試験
    2003年以降大型膜面展開実証試験が様々な形で行われている。
    真空槽を用いた径0.8mの真空落下展開実験を経て、2003年8月に大気球を用いた径4mのクローバー型セイル展開実験に成功、スピンテーブルを用いた径2.5mの展開実験を経て2004年8月9日にはS-310ロケット34号機において径10mのクローバー型セイル及び扇子型セイルの宇宙空間での展開に成功、2006年8月30日には大気球を用いた径20mの正方形セイルの展開に成功と、着実な成果を上げた。
    また、2006年にはM-Vロケットのサブペイロードを利用した2機の軌道上展開実験(後述)も行われた。
    2007年にはスケートリンクを用いた展開実験が行われ、2009年度には大気球を用いたIKAROS実機大膜面の展開実験が計画されている。


    小型実証機
    小型実証機
    前述のようにソーラー電力セイルを用いた木星圏探査計画が進行する中、その前段階としての軌道上大型膜面展開実証機の必要性が高まり、2006年に2つの小型実証機案が作成されることとなった。
    1つは同年計画が中止されたLUNAR-Aのオービタを改修・再利用して次期固体ロケットの初号機で打ち上げる案、もう1つは新開発した300kg未満の小型実証機をH-IIAロケットによる打ち上げへと変更されたPLANET-Cのピギーバックペイロードを利用して打ち上げる案である。
    前者は次期固体ロケット初号機の打ち上げ予定が不確定であり、LUNAR-Aフライトモデルの経年劣化も激しいことから見送られ、開発期間が短く国際的にも競争力のあると考えられた後者へ決定された。
    2007年4月1日にJSPEC誕生と同時にプリプロジェクトへ移行、2008年にプロジェクトへ移行しIKAROSと名付けられた。
     
    構成
    本体とセイルに大別される。
    スピン安定であり、セイルの展開もスピンを利用して行われる。
     
    本体
    直径1.6m高さ1mの円柱上であり、主に構造部、太陽指向面、ミッション部、バス部から構成される。
    構造部はロケット結合部、ロケット結合部と太陽指向面を接続し全体の構造強度を保つスラストチューブから構成される。
    太陽指向面には補助用太陽電池が配置される。
    ミッション部はセイルの収納、テザーの結合、ブラシレスモータを用いたセイルの展開等を行い、セイルとバス部の電気的接続を担う。
    バス部はスラストチューブ内に配置され、CPUなどの演算制御機器で構成される。
       

    セイル
    セイル
    ポリイミド製のセイルは膜厚7.5μmで14m四方の正方形であり、4枚の台形ペタルから構成されている。
    それぞれのペタルはブリッジで結合されており、本体とは16本のテザーによって結合されている。
    4つの頂点にはそれぞれ500gの重りが取り付けられており、スピン展開時には遠心力によって先導的な役割を果たす。
    薄膜太陽電池セルは膜厚25μmでセイルの半ばに本体を囲むように正方形に配置され、面積比ではおよそ10%を占める。
    セイル片面にはアルミ蒸着が施されており、電位差や電流分布から太陽風プラズマの観測が可能である。
    他に8ヶ所にダストカウンタが搭載され、宇宙塵の観測を行う。
    操舵装置として電気式の調光フィルムが各頂点両側、合計8ヶ所に搭載される。
    これは反射率を変化させることで光圧のバランスを崩しトルクを発生させることでセイルの姿勢制御を行うものである。
     
    サブペイロードによる大型膜面展開実験
    IKAROS以前、M-Vロケットのサブペイロードを用いて軌道上での大型膜面展開実験は二度行われた。
     
    SSP
    SSP(Solar-sail Sub Payload)は膜面展開制御を目的とし、径10m級の扇子型セイルを搭載したサブペイロード実験モジュールである。
    2006年2月22日6時28分にM-Vロケット8号機のサブペイロードとして赤外線天文衛星あかりとともに打ち上げられた。
    展開は探査機での使用を想定し、時間をかけて徐々に展開する方式であった。
    実験の様子を海外局を通じて受信する際にトラブルが発生、受信状況が悪く実験後の画像のみが取得できた。
    実験中のモータ回転数の解析結果からは全行程の1/3程度で停止し、展開に失敗したと推定された。
     
    SSSAT
    SSSAT(Solar Sail Satellite)は膜面展開と薄膜太陽電池の宇宙空間での特性評価、気液平衡スラスタによる姿勢・軌道制御、ダストカウンタによる宇宙塵観測を目的とし、径5mの膜面を搭載した質量6kgの衛星である。
    2006年9月23日6時36分にM-Vロケット7号機のサブペイロードとして太陽観測衛星ひのでとともに打ち上げられた。
    ロケットから正常に分離されたことがロケット側のカメラによって確認され、海外地上局にて信号を受信したものの、信号は何らかの理由で断続的なものとなっており、薄膜太陽電池の特性評価を行うのに十分なデータを得ることはできなかった。
    降下速度の増加から膜面展開は正常に行われたと考えられたが、これについても正常なデータは取得できなかった。
    3日後の9月26日に大気圏に再突入したと推定されている[3]。
     

    逆援助
    すいせい
    すいせい(第10号科学衛星、PLANET-A)は日本の宇宙科学研究所 (ISAS)(現 宇宙航空研究開発機構 (JAXA))が打ち上げた2機目の宇宙探査機である。
    1985年8月19日に鹿児島宇宙空間観測所からM-3S-IIロケット2号機で打ち上げられた。
    すいせいは先立って打ち上げられていた探査機さきがけとともにハレー彗星の国際協力探査計画に参加し、太陽風とハレー彗星の大気との相互作用を観測したり、紫外線で彗星のコマを撮像することを目的としていた。
    1985年11月14日、すいせいは真空紫外撮像装置 (UVI) を用いてハレー彗星のコマの水素Lyα輝線による像を初めて撮影した。
    この像の観測から、コマの明るさが規則的に変光していることが明らかとなり、変光周期から核の自転周期が2.2±0.1日と推定された。
    その後、1986年3月8日にハレー彗星に145,000 kmの距離まで最接近し、彗星付近の太陽風の観測を行った。
    1991年2月22日に軌道修正用の燃料がなくなり、運用を終了した。
     
    PLANET-C PLANET-C又はVCO(Venus Climate Orbiter: 金星気候衛星)は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 宇宙科学研究本部 (ISAS)(旧文部省宇宙科学研究所)が計画している金星探査ミッション。
    観測波長の異なる複数のカメラを搭載して金星大気を立体的に観測する。
    目的と予定
    従来の気象学では説明ができない金星の大気力学(四日循環と呼ばれる惑星規模の高速風など)のメカニズム解明を主目的としている。
    このミッションの成果は、惑星の気象現象を包括的に理解することにつながると期待される。
    加えて、赤外線により金星の地表面の物性や火山活動を調べ、また地球出発から金星到着までの間に惑星間の塵の分布(黄道光)を観測する。
    PLANET-Cは2010年夏の打上げを予定している。
    当初はM-Vロケットによって打ち上げられる予定であったが、新型固体ロケット開発に伴うM-Vロケットの運用中止に伴い、H-IIAロケットによる打ち上げに変更された。
    金星軌道投入後は、約2年間にわたり金星大気の挙動を継続的に観測する予定である。
     
    状況と構成
    2002年からの概念設計フェーズ、2004年からの基本設計フェーズを経て、2008年8月現在詳細設計フェーズにある。
    衛星の各サブシステム(推進系、通信系、姿勢系など)や観測機器の開発、試作モデル (PM) の製作が終了し、フライトモデル (FM) の設計・製作が行われている。
    今後は2009年度から総合試験が行われる予定。
    基本システムは「はやぶさ」のものを踏襲し、衛星本体の重量は500 kg程度になる見込みである。
    モーメンタムホイールを使用した3軸制御にて姿勢を安定させる。
    通信は主に新設計のフェーズドアレイ型の高利得アンテナを用いて行われ、臼田宇宙空間観測所の64 mパラボラアンテナとの間で最大約32 kbpsの通信回線が確保される。
    観測機器は、地表面からの赤外線放射や雲による太陽散乱光を捉える1 μmカメラ (IR1)、雲の下の大気からの赤外線放射を捉えて低高度の雲や微量ガスの分布を探る 2 μmカメラ (IR2)、雲からの赤外線放射を捉えてその構造を探る中間赤外カメラ (LIR)、雲による太陽 散乱光を捉えて二酸化硫黄ガスなどの分布を探る紫外イメージャ (UVI) が搭載される。
    雷放電が起こっているか否かを把握するための雷・大気光カメラ (LAC) も搭載される。
    また、通信機器として超高安定発振器 (USO) を搭載し、探査機から地球に向けて送信される電波が金星大気をかすめる際に電波の周波数と強度が影響を受けることを利用して大気の層構造を調べる電波掩蔽観測も行われる。
    また、太陽電池パドルは太陽面に固定され、その影と本体の影を利用して、衛星からの放熱を行う。
    PLANET-Cの観測機器開発には、JAXA以外の大学・研究所も参画している。
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